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自分をとりまく世界は劣悪

自分をとりまく世界は劣悪

「自分をとりまく世界は劣悪であり、また、自分自身も生きる価値がない」 と思っている人間にとっては、世界はマイナスの価値、そして悪に満ちている。 ここで大事なのは、「実際に自分のまわりの環境が良いか悪いかは、絶対的な要因ではない」ということである。 むろん、客観的に良い環境にいれば、良い世界と認識する確率は高くなるであろう。しかし、客観的に劣悪な環境の中であっても、幸福を感じる人間もまた、いるのであるから、客観的な善し悪しは絶対ではない。 堺屋太一氏は、私の好きな作家の一人である。 彼が以前に、人類の歴史を俯瞰して 「人類の歴史は、客観的な物財の増大を喜ぶ時期と、主観的な満足の増大を喜ぶ時期とに、分かれる」 ということを述べた。ヨーロッパの歴史でいえば、古代ローマ帝国、そして、帝国の繁栄のもとでの豊かな社会が、客観的な物財の増大が喜ばれた時期であるといえる。 そして、それに続いた中世は、キリスト教のもとで、主観的な満足の増大が喜ばれた時期であるといえる。

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